幼なじみ
ドアを開ける

気持ちいい風が私の体をすり抜けた


そこに混じる爽やかな香水の香り


柵にもたれ掛かるようにして立っていたのは萩原先輩


「すみません。
遅れました!」


日差しに透ける茶色の髪
ワイシャツに緩くしまるネクタイ

学校の有名人が私を見て微笑んだ


「乃愛ちゃん…。
来てくれてよかった。」


安堵のため息と共に見える白い歯


カッコいいなぁ…

思わず見とれてしまう

「突然あんな手紙書いてごめん。メアド交換しなかったし…他にどうすればいいか思いつかなくて…。」


頭をポリポリ掻きながら恥ずかしそう


「え、あ、いえ。
あの…お礼とか別に要らないですよ?私お礼されるようなことしてないですし…。」


今まで見るだけだった先輩と言葉を交わす


初めて話した時よりも緊張するよ
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