幼なじみ
ガラッ…


「やっと…出てきた。」


自分の部屋の窓辺に座る
夕日に照らされて微笑む凪沙…



ドキンッ



心が揺れた

叫んだ


“この人が好きだよ”


素直に
気持ちを伝えたら

今より近づける…?



それとも

唯一私たちの間にある
太い繋がりを切ってしまう?


「乃愛、少し痩せたね?」


凪沙の暖かい手が私の頬に触れた


そこから気持ちが溢れ出す


この手が私だけのモノなら

他の誰かのモノ
わかっていても


求めてしまう


凪沙…


凪沙…



大粒の涙が凪沙の手に落ちた


「乃愛?」


覗き込む凪沙の顔が近づく


凪沙の色素の薄い奥二重の瞳に私が写る


私だけしか写らない


今なら

言ってもいい?


私の…

悔しいくらいに凪沙を愛しいと想う気持ち……


溢れて止まらない
涙に乗せて

凪沙の手に落ちるように


そして
受け止めてくれるように



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