幼なじみ
凪沙の丁寧かつ厳しい指導のもと何とか苦手な課題を克服し


ちょっと一服…


私の部屋に向かって細く煙をはいた


「俺と付き合ったからには、タバコはやめさせるから。」


不意に呟く凪沙


「え―…」


タバコを灰皿に押し付けた時だった


凪沙が私の背後から抱き締めた


ウエストに絡むがっしりとした腕


「ちょっ…!?」


ビックリしてあせる私


「黙って。」


凪沙の唇が重なる


熱い吐息と一緒に滑り込む舌…


逃げ回る私の舌をしつこく追い回す


「んっ…。」


苦しくなったところで離れる唇


肩で息をして
真っ赤な私に勝ち誇ったように凪沙は言う


「タバコを一本吸ったら、キスするから。」


「はぁ?!」


これが
私の幼なじみの凪沙?!


こんなにエッチだったの?

そっと
首筋にかかる吐息


胸に触れる凪沙の右手


「俺に内緒ですったら…もっとすごいことするよ?

覚悟してね。」


すごいこと


ってなんですか?!


私はどうなるんですか?


期待と恐怖が交差する


「乃愛―。凪沙く―ん。
ご飯よ――!」



私の家から聞こえるお母さんの声


まったく
隣の家にまで聞こえるくらいお母さんの声は大きいんだから


凪沙はパッと私から離れるとドアへ向かった

「俺は下から行くから。
乃愛、気をつけてね。」


「はーい。」


凪沙が部屋を出てすぐに
私も窓の柵を乗り越えた


足を伸ばして降り立てば
そこは私の部屋


お隣同士っていいもんだ
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