幼なじみ
梅雨が開ければ夏休みが待っている


私の心は夏のバカンスでいっぱい


試験も上出来だったし
ホントに凪沙には感謝だよ

でも
せっかくの夏休みなのに

凪沙は夏期講習に行くらしい


さすが有名進学校のエリート様だよ


二人で夏の思い出作りたかったのに…


「拗ねないでよ、乃愛?
乃ー愛?
機嫌直して?
ね?」


ったく
可愛い顔してれば許されると思ってるんだから



まぁ
大半は許してしまう私が悪いんだけど…


「仕方ないなぁ…。
でも、凪沙の誕生日だけは空けておいてよ?
二人っきりでお祝いするんだからね。」


張り切る私に
優しく
嬉しそうに凪沙がそっと触れる


「うん。
約束するよ…。」


落ちる口付けは
どんなお菓子よりも甘く
どんな夏よりも熱い


凪沙の気持ちが
私の中に入ってくる



「凪沙…好き。」


漏れる吐息に乗せて伝えた私の言葉は全てを凪沙に絡めとられた
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