幼なじみ








「はぁ!?
ふざけてるなら切るよ?」


間抜けにもほどがある
騙されるわけないじゃん


そんな
突拍子もないう…


『冗談なんかじゃねーよ!こんなのが…嘘…だったら…つっ…。』



言葉を詰まらせる山田弟…


その瞬間


私の全てが止まった



「ほ、本当に…。」


『…う…ん…。

今、中央病院にいる。』



私は走り出していた


ジャージ姿で
ビーチサンダルで


朝露に濡れた
アスファルトを力強く蹴った



嘘だ



嘘だ


嘘だ


嘘だ


何度もこころの中で叫んだ


違う



願ったんだ
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