幼なじみ
「萩原拓也…って…!
あの萩原先輩!?」


智香が目を丸くして驚いている


萩原拓也先輩はうちの学校のサッカー部の部長で

インターハイの常連だ

そして何よりそのルックスと美貌から女子に絶大な人気を誇る


「ね、携帯拾ったってなによ?私聞いてないけど。」


智香に言われ3日前の出来事を思い出した


委員会で遅くなり
下校時刻ギリギリで教室をでて昇降口に向かっていた

その時、階段の隅に光るブルーの携帯を見つけたんだ

手にとって見ると
いきなり着信があって

電話に出たらこの携帯の持ち主からで


で渡しに行ったら


そこには
萩原先輩がいた


日焼けした肌
引き締まったからだ
優しい瞳


「ありがとう。」


それくらいしか
会話なんてなかったけど


どうして
私の名前とクラス分かったんだろう?


しかも
丁寧に手紙まで


「すごいじゃん乃愛!
あのサッカー王子に呼び出されるなんて!」


興奮気味の智香


「いやでも、ただのお礼って話だし、ラブレターでもなかったじゃん。」


少しは期待してたのになぁ

生まれてはじめてのラブレター


「わかんないよ。そんなのは。萩原先輩っていまフリーだし、乃愛も結構可愛いから、もしかしたら?」


変な期待しないでよ

そんなことあるわけ無いじゃん


でも
放課後まで
智香はそのあり得ない可能性について話続けていた
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