ハナミツ
「…………ありがとうございます。
私を心配してくださって。」
「……。」
「あの、……すみません。
足がちょっと痛むので……その離してくれたら、」
「す、すいませんっ………。藤ノ宮さんは 病人でした。」
綾瀬さんは慌てて、わたしから手を離し、
元の体勢にたてなおした。
「……。」
綾瀬さんが、少し気まずそうにしていたので
とりあえず私は気になった事を聞いた。
「そういえば、綾瀬さん。お仕事は?」
「今日の分は終わりましたよ。
イベントと、取材とー、あと、アフレコをちょいちょい。
案外早く終わってさっき病室に来たんです。
藤ノ宮さんのことは同じ会社の結城さんから、
聞きました。名刺を頂いたので。
連絡したらここで入院手続きしてるって……。
だからまぁ、そういう感じデス。ハイ、」
「そうなんですね。」
イベントにアフレコに取材、
改めて芸能人なんだなと感じる。
いまは時間は午後15時半。
「……、さっきの話の続きですけど、」
綾瀬さんが切り出した。
「…あ、は、はい!」