ハナミツ
「………。ちょくちょくという訳にはいかないけど、
たまになら、その、会えるので、
これからは改めて声優の綾瀬直昭として
よろしくお願いします。」
「え?だ、大丈夫なんですか?」
「大丈夫ですよ。マネージャーにも言っておきます。
実は七瀬さん経由で藤ノ宮さんの携帯番号
教えてもらってたんです。」
七瀬さん経由で?
「え、七瀬さん経由で、…………
んーー。あ、
てことはー、店長!」
「多分。今朝手紙に書いてあったんです。
"上手く使いなさいって。健闘を祈る"って」
健闘を祈る。
七瀬さんが、綾瀬さんへ。
応援してくれてると思っていいのだろうか。
「………、」
「……,綾瀬さん。」
「はい。」
「私も綾瀬さんのこと知りたいです。
教えてくれませんか?」
綾瀬さんは、ほっとしたように笑った。