ハナミツ
「……。無理はしてはいけませんよ。あなたは、
人のためなら我が身を省みない所があります。女性なんですからね。」
「はい。ありがとうございます。」
「もし誰かと待ち合わせなら、乗っていきますか?
私は今日車なんですよ。近くなら。」
結城さんはキーケースを出して、軽く微笑んだ。
すべて分かってるみたいな笑みだった。
「えと、お言葉に甘えていいですか?」
膝もまだ本調子ではなかったので、お願いした。