ハナミツ










食事を終え、和食屋さんから出た。
桜がキレイな公園があるからドライブがてら
行くことになった。






「…たくさん食べたぁ。お腹いっぱい。幸せです。」


「ならよかったです。」



綾瀬さんは車を運転しながら笑った。


「……あの、綾瀬さん。」


「はい。」


「………私、こうやって男の人の車に乗るのも、
ご飯に行ったのも初めてなんです。
だから、……なんていうか、上手く話せなくて、すみません。」



「そうですか。気にならないですよ。
誰しも初めててことはありますから。」



初めてて、ことはありますから。



「………。はい」



綾瀬さんには彼女いたのかな。



きっと居たのだろう。
私よりは年上だし、運転してる姿も様になっている。

緊張もしてない。




気がする。





「………緊張しないで下さい。」













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