ハナミツ
チーン
と音がして、エレベーターが開いた。
「すみ…ま…せんっ。………はぁはぁ、あー、…… 」
「あ、綾瀬さん、すみません!」
綾瀬さんは、少し息をきらして
エレベーターから降りてきた。
髪に水滴がついている。
「わざわざ………良かったのに…。」
「……危ないですから。こんな雨なのに、どうするんですか?」
綾瀬さんは、ジーパンからハンカチを出し髪を拭いた。
「えーと、ホテルにでも泊まろうかと……。」
ホテルという単語を聞いた途端、綾瀬さんは
ハンカチをポケットにしまった。
「……どこの、何ホテルですか?大丈夫なんですか。」
「綾瀬さん?」