ハナミツ
「心配くらいさせてください。大丈夫ですから、本当に」
藤ノ宮さんは、俺の方を見たあと、コクンと頷いた。
「はい。………お先にいただきます。
綾瀬さんも、後でちゃんと入って下さいね。」
「はい。」
藤ノ宮さんは、パタパタと風呂場に走って行った。
とりあえずパジャマとかはドンキで買ってたみたいだから
大丈夫だろう。
俺も着替えたい。
汗臭いし、風邪をひく。
藤ノ宮さんの服は制服だろうから、後で乾かせる事を提案してみよう。
こういう時、乾燥機つき洗濯機を買った自分を
褒めてやりたい。
適当なTシャツに紺の七分丈ジャージ。
寒いから一応カーディガン羽織っとこう。
「茶でも入れるか?いや、明日の吹き替えの確認を………」
確認なんてすでにここ数日、かなり真剣にしたから
頭に入っている。
明日は吹き替えでかなり時間を取られる、その後別件のアフレコ。