ハナミツ
と。
バッグからブーブーと携帯電話のバイブ音がした。
誰かからメールかな。
ゆっくりバッグまで近づき、携帯電話を確認した。
美咲からの、無事に帰れた?メールだった
美咲は家が遠いから今日は、早めに帰ったのだ。
メールか。
……あんまり話すのが得意ではない私もメールなら打てる。
綾瀬さんがいないのを確認して、私はスマホを
布団の中に持ち込んだ。
私はゆっくり考えながら、文章を打った。
私の気持ち。
近いうちに綾瀬さんに伝えたい。
今は言えなくても。
雨音はだんだん遠くの方で聞こえてくる気がした。
***