ハナミツ
***
着替えて、キッチンにいったら
綾瀬さんからエプロンを渡された。
黒いシンプルなエプロンだった。
「じゃあ俺は、パンの準備をしますから。藤ノ宮さんは、スクランブルエッグをお願いします。」
「はい。」
私は、うでまくりをして綾瀬さんから卵を受け取った。
これでも、祖母に仕込まれたから料理は得意だ。
卵に砂糖、牛乳、塩少々、を入れかき混ぜる。
「綾瀬さんは、半熟がいいですか?固めですか?」
「どっちでも大丈夫です。
藤ノ宮さんのさじ加減でいいですよ。」
さじ加減……ならば、半熟がちょっと固まったくらいかな。
綾瀬さんはトーストしたパンを取りだし、
お皿に並べていた。
くしくも某お菓子メーカーのあのマスコットキャラのお皿だった。
かわいい。