ハナミツ
雨はだいぶ止んできている。
この分なら午後から晴れそうだ。
時間は8時半。
そろそろ世の中が慌ただしく動き出す時間だ。
ニュースは、番組が変わっていて朝の情報番組になっていた。
ダイニングキッチンから、近くの
ローテーブルのあるテレビ前に移動した。
カチャカチャと食器の音がして顔を上げたら、
お待たせしました。と綾瀬さんがコーヒーカップを
目の前に置いてくれた。
「ありがとうございます。」
「熱いから冷ました方がいいですよ。」
綾瀬さんは自分の分を向かいのテーブルに置き、座った
「…綾瀬さんて、すごいですね。
お料理もできてお茶も入れれるなんて。」
「不本意ながら、母と姉に仕込まれたんです。
姉ちゃんにはいまだに頭が上がりませんよ」
お姉さん。
綾瀬さんが、優しい理由が少しわかった気がする。
「……あの、話しづらかったらいいんですけど
夜中に送ったメールの件なんですが」