ハナミツ




「前に綾瀬さんから、聞かれた時に答えられなかったから。その、とりあえず文章にしてみようって、……思って。」





……。




「……」



「…すみません、綾瀬さん。気がつかないで。寝ぼけていて、送信していたみたいで…。」








綾瀬さんの顔が見れず床のカーペットを見ていた。


「間違いじゃないんですよね?」


「は、はい?」


「メール。内容は間違いじゃないんですよね。」


綾瀬さんはゆっくり繰り返して聞いてくれた。

口調は攻め立てるような口調ではない。


「それは、はい。……でも、なんというか、タイミングが……その。」





カーペットから顔を上げ、綾瀬さんを見たら
ふっと笑っていた。




「それは、確かに驚きましたけど。……嬉しかったですよ?」






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