ハナミツ







ふわりと唇が当たった気がした。



柔らかい。




すぐ離れるかと思ったら、しばらくそのままで。




唇が、離れて息をしようと口をあけたら、





「………ん、………あ、…………だ。」




綾瀬さんの、舌が口の中に入ってきて
私の歯の裏に当たった。


よくわからないまま、されるがままになっていた。




だんだん何をされてるかが分からなくなってきた。



……。








微かにコーヒーの苦い味がする。

息遣いが聞こえる。





私を食べるみたいに綾瀬さんは、何回も深いキスをした


歯れつをなぞり、絡み合わせようとする。







私は、よくわからないのに何故か知らない間に
綾瀬さんに答えようとしてる。





「………ん。……………、ん」





私の手は綾瀬さんの身体を跳ね返そうと力を込めるけど、全然かなわない。






頭がぼうっとする。






………熱い。







止まらない。

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