ハナミツ
***
「藤ノ宮さん。」
「な、……あ、綾瀬さん。はい、今行きますっ………」
綾瀬さん……にキスされて、気がついたら9時を過ぎていた。
天気はいつの間にか好天になっていたから。
焦ることも無くなった。
玄関で靴を履き、私はエレベーターホールに出た。
綾瀬さんはガチャと鍵をしめる。
何にも無かったみたいに、綾瀬さんはいつもの
藤ノ宮さん呼びに戻っている。
「天気が良くなって良かったですね。」
「はい、」
綾瀬さんの顔が見れないので足元の靴に、返事をする。
隣に綾瀬さんの履いてる靴が見えた。
「……。」
「……綾瀬さん。」