ハナミツ
花の香り。
タツは勘が鋭い。
「そういや、おまえ…… 」
「ん?」
タツは、や、待てよ。
と一人でぶつぶつ言っていた。
「なんもねぇなら帰るぞ?」
「ん。また思い出したら話すわ。」
次も仕事があるのだ。
急ぎ足で、俺はスタジオを後にした。
「………なんか隠してんな。アイツ」
タツの一人言など知るよしもなかった。
***
藤ノ宮さんを泊めた朝。
我ながら、…我慢が効かずあんなことをし
でかしてしまった訳だが。
………でも、言わせてもらえるなら、
俺だって、男だし。
藤ノ宮さんは、かわいいから。
そういう事の一つや二つしたくなるのは当たり前だ。