ハナミツ
スマホで時間を確認すると、
「ありがとうございます。またお越し下さい。」
店の入り口から、明るい声がした。
声の主は藤ノ宮さんだ。
サラリーマンらしき人を見送りおじきをしていた。
「蓮花ちゃん、いつもありがとねー。」
サラリーマンの人は鮮やかな花束を軽く上げ帰って行った。
今は18時。薄暗くなってきているのと
帰宅ラッシュで 、俺に気を止める人はあまりいない。
「藤ノ宮さん!」
見送りを終わり店に入る時に俺は声をかけた。
「……綾瀬さん!おつかれさまです。びっくりしました。」
「今日終わりが18時くらいって言ってたから。ちょっと待ってました。すみません……」
藤ノ宮さんは、ぶんぶんと首をふった。
「……嬉しいです。もう終わりますから。ちょっとだけ待っててください。」
れんげー!と呼ばれ、藤ノ宮さんは、
はーいと変事をした。