ハナミツ
ほんの数分で、藤ノ宮さんは戻ってきた。
レンタルした商品が入った袋と、…… ?
「綾瀬さんに。こないだと声が違う気がして。良かったら……」
藤ノ宮さんは、手渡しで俺にのど飴を差し出した。
「………」
少し驚き、受けとる。
「良く気づきましたね。のどが悪いなんて…」
「風邪かなと思ったんですけど。
お仕事されてるなら体調管理は当たり前だから……。
少しかすれてる様な声だったから、…すみません。偉そうに」
ばれてるわけない。
偶然だ。……
"体調管理は当たり前だから。"
そうだ。
仕事柄特にのどに関しては気をつけている。
いるのだが、
ここ数日は仕事がハードで少し疲れていた。