ハナミツ
「達こそ、久しぶりじゃん。」
「ん。」
達は特に突っ込んで聞かない。
相手が出している空気で色々感じとるらしい。
「んー、あぁ………っははーん、女か。」
「ば………、っ、お前。」
つい辺りをきょろきょろ見てしまう辺り、
俺は小心者だ。
達は、ふふんと笑った。
「いやいやオレは嬉しいんだぜ。お前なぁんもねぇーんだもん。ま、俺も人のこと言えねぇけど、こんな仕事だしな。」
「そんなんじゃない。」
そう、そんなんじゃない。
スマホで写メったフリージアは、写真越しでも綺麗だった。
藤ノ宮さんからもらったフリージア。
家の玄関に飾った。
家になんて来たことないのに、
何故か玄関に置いたらすっと馴染んでいた。
「……相手は花屋かぁ?」
奴は首を捻って、俺のスマホの画面を覗いていた。
「達、」
「へーへー。綾瀬は真面目なこって。」