ハナミツ
タツはわざわざコーヒーを入れ、菓子と一緒に居間にある
ガラス張りのローテーブルに運んできた。
「ありがとう」
「まぁ、食えば?」
あっさりと流し、
タツは座ってプリンを食い出した。
「頂きます。」
「……」
ガトーショコラは、苦くて甘い味がした。
誰かが言ってたっけ。
恋愛はチョコレートみたいだって。
甘くて苦い。
「綾瀬。」
「あ。なに?」
「お前いまの、カノジョ好きなん?」
「好きだよ。じゃなきゃ付き合わないだろ。」
「好きじゃなくても付き合えるやつはいんの
お前はマジでピュアボーイだな。
32にもなって。」
「ほっとけ、他のヤツは知らないけどさ、気持ちがない
ほうが寂しいんじゃないの?相手も自分も。」