ハナミツ







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「おねーちゃんは、彼氏さんにお母さんの
こと言ってるの?」







綾瀬さんの話をきいてから
少したった時に桃花は帰ってきた。

あれから1時間くらい外の喫茶店で
誰かと電話していたらしい。


寝る前に桃花はぽつりと呟いた。



「まだ。」


「早く言っちゃいなよ、大丈夫だよ。
あの人、真面目そうだもん。
芸能人って言ってたけどあんまり偉そうじゃないし、
あー、……綾瀬さんだっけ。

おねーちゃんのこと、好きなんて私の前じゃな
いわなかったけど。何回もキッチン見てたよ。
おねーちゃんがお茶入れてるだけなのにね。」




「………本当に?」


「ホント。誰かさんがぼーっとしていたから。」
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