ハナミツ
「…俺はいつもやさしいですが?」
「まったく。
……あなたがなにか隠してんのくらい
分かるっつーの。大体昔から直は恋愛に
関してだけは疎いじゃない。
彼女作ってもポロっていなくなって。
別に直が大事にしてないんじゃなくて、
相手が直から離れていっちゃうのよね。
で、聞いたときには
『別れたけど、仕方ないな。』で終わっちゃうの。」
「……。」
「いくら特殊な仕事してるからって、
彼女作っちゃいけないことないわよ。それに
私は直の姉なんだから。」
姉貴はやっぱり俺の姉だ。
「うん。……」
「……。」
ふっと笑って、レジに俺と二人で
選んだ茶器セットを持っていった。