ハナミツ
とりあえず、場所はショッピングセンターから
姉が好きな喫茶店に移動した。
彼女ー藤ノ宮さんについて、姉に話した。
「花屋の、あぁ!なるほど、なるほど……。」
「そういう訳だから。からかうなよ、店に行って。」
姉は、ふふと笑いながら言った。
「……直がむきになるって相当好きなの?
藤ノ宮さん。」
「別にそんなんじゃないよ」
「そっか、そっか、大事にしてるのね。」
姉はカフェオレが入った
カップを包み込むように握りしめ、目を伏せた。
薬指の結婚指輪がきらりと光る。
姉はつい8年前、28才の時に結婚した。
いまや2児の母。
旦那さんになるお義兄さんは、いい人で
俺の仕事についても好意的に思ってくれてる。