ハナミツ
「え、結城さん……知ってらしたんですか?」
「…いえ、何となく。そんな気がして……。
あなたから聞くまで確信はもてませんでしたが。
これでも驚いていますよ。しかし、
あの人とお付き合いしてるとは………ははぁ。
彼が必死になるわけですね。」
「……必死?」
結城さんは顔色ひとつ変えずに運転をしている。
昔から結城さんはこうだ。
何もかも知っているのに、何も話さない。
「あなたは掴めるようで掴めない。
捕まえたかと思ったら逃げてしまう。…だから、
みんなあなたを捕まえたいと思うんでしょう。」