ハナミツ
***
「綾瀬さんの事は、あなたがちゃんとしないといけない事だと思いますよ。」
晩ごはんを和食屋さんで、食べた帰り
思い出したように結城さんは話し出した。
「……はい。」
「桜さんはあなたには幸せになってほしいと
常に言っていました。
あなたのお父さんとは残念ながら縁は無かった
けれど、
蓮花さんと桃花さんは私の大事な子供だから。と……。
いまあなたが悩んでる事を、
…綾瀬さんにぶつけたらどうですか?
あなたが桜さんの事を、話したくないということは
要するに彼に話した事により、
綾瀬さんと築き上げた関係が壊れることを怖がっている。
つまりは……あなたは彼の事を
大事にしたいと思ってるということではないですか。
このままなにもしなかったら
綾瀬さんは、
あなたから離れていきますよ。
あなたに信用されない自分に耐えられずに、ね。
それでいいんですか?」