ハナミツ
*4th-3 さらっていく
「……………っ!」
だんっ!!
「…………え?」
見ると
寄りかかっていた壁に誰かの腕がつき出されていた。
誰!
よ、酔っぱらい!
伏せた顔を上げると、
はぁはぁと荒い息遣いがした。
「………あ、綾瀬さ。」
「…こんなとこで俯いてたらダメです……よ。」
綾瀬さんは、息を整えながら言った。
「……すみません。」
「………。何泣きそうな顔をしてるんです?
結城さんに言われたのがそんなに悔しかったんですか。」
「……。え」
「全く、人を賭けの対象にするなんて。
電話なんかしてる時に分かるわけない
じゃないですか……。」