ハナミツ

有無を言わせない口調で、命令されてる訳じゃない

…ないのに従わせる何かを彼の言葉は持っていた。









「すみません、急に。実はさっきまで
蓮花さんと居たんですが別れてしまったんです。」


「はぁ。」



「賭けをしていました。あなたが蓮花さんに
気づいたら蓮花さんにはあなたが必要なんだということ。


でも、あなたは気づかずに行ってしまった。
結果私は蓮花さんに酷いことを言いました。
彼にはあなたは必要ないんじゃないかと………」


結城さんは淡々と他人事みたいに自分の
事を話した。
まるで感情をどこかに置き忘れてきたﾛﾎﾞｯﾄのように。
　



けれど話している内容は的確におれをけなして
いたからふつふつと腹は立ってきた。


「勝手に賭けの対象になんかしないで下さい。
お、僕は蓮花さんのことはちゃんと……」


「ちゃんと考えてると？
……それは素敵な事です。
しかしその気持ちは本物ですか？一時的な熱に浮かされているんじゃないですか？」