ハナミツ

「………。」



「……あなたは、真面目な方ですね。」



「…彼女に余計な事を
言わないでくれませんか。

あなたも、彼女を大事に思ってるんでしょうが
僕だって大事に思っています。
仮に、
彼女と別れるとしてもケジメはつけます。

ただでさえ、彼女は色んな人から
僕との事に釘をさされて
不自由な思いばかりさせてるっていうのに、
何でそんなことを言って困らせるんですか。」







低い自分の声はより低く
身体の中に響いた。腹が立っているからだ。





「……知っているからですよ。」


「？」


「あなたたちみたいな恋をして叶わなかったひとたちを。近くで、見てきているからですよ。」




どういうことだ。