ハナミツ
「蓮ちゃんの展覧会行けるようにするからね?」
晩ごはんが終わり
家への帰路への途中、決意するようにはっきりと
母は言った。
桃花は、横で眠っていた。
「お母さん。でも、…舞台があるから。」
「大丈夫。ささちゃん?」
マネージャーの佐々原さんをガン見しながら
母は言った。
「もちろんです。出来る限り調整はしますよ。
しますけど……」
「ささちゃん出来る男は余計な事は言わないのが筋なんじゃない?」
任侠の脅しみたいに母はドスのきいた声で念押しした。