ハナミツ
「ー彼女は元気?」
「こないだ会った時は元気でした。」
お祖母ちゃんの言う彼女は、お母さんの事だ。
お祖母ちゃんは母と別れた父を特に
責め立てもしなかった。
けれど
母が別のひとを、好きになり結婚したことが
未だに許せないらしい。
(らしいというのは父に聞いたからなのだが。)
「なら良かった。蓮花は今日は晩ごはんは?
食べて行くんですか?」
「有難うございます。でも、今日はお父さんが
カレーを作ったから食べないといけなくて。」
お祖母ちゃんは、そうですかと笑った。
お祖母ちゃんは優しい人なのだ、
厳しいけれど優しい。
「ならば、辰巳さんに帰りの
車の手配をしましょうか。
暗いから危ないです。」