ハナミツ
目をつむっているからか、聞こえる。
息遣いとか、下を絡める音が生々しい。
知らなかった。
知ることなんかないと、思っていた。
「………っ、ん、………んん、あ。」
前にもキスされた。その時より、
長い。
彼の手がいつの間にか
浴衣越しに背中にまわされていて
抱き寄せられたのに、気づいた。
「………なお。」
「うん、なに?」
「………、あの。」
互いの距離は唇が少し離れてる距離で
顔の火照りまで気付かされてるような気がする。
目だけ見ずに彼の唇辺りを見ているのは余計
官能的な気がした。
「苦しかった?……」
「ちがう」
じゃあどうしたのと、目だけで微笑んでいる
彼を見て私は、泣きそうになった。
「私を見つけてくれて、ありがとう」
ー選んで下さい。ここで。