ハナミツ






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むかしから私は、誰かの影に隠れていた。
桃花みたいに可愛くないし、
これと言って頭も良くない。



人見知りだったのだ。

けれど


父の仕事場に遊びに行くようになり、
花に触るようになって私は、すっかり花が
気に入ってしまった。



花はどれも綺麗で誰からも求められる。

私は、綺麗じゃないけれど、




綺麗なものを誰かに与えることができる。
綺麗なものを創り出すことができる。








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