ハナミツ
*4th-6 bitter snow(後編)
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立花真琴。
彼と、出会ったのはその時だった。
私は、うっすらと母が話していた
再婚相手の事を思い出し、彼に話しかけた。
「あなたは、……立花さんの。」
「立花真琴。息子だよ。
仲良くはしたくないけど、親父が煩いから
仲良しのフリしててよ。」
「は…い。」
「……あんたのが年上だろ?タメ語で話せば?」
「………。でも、初めて会ったから。あなたとは、」
私が言ったら、彼はふぅんと舞台を眺めた。
「………桜さんと同じこと言うんだな。
蓮花サン。」
「同じこと?」
「………あの人も俺に会った時に同じこと
言って挨拶してた。馬鹿みたいに丁寧に。」