ハナミツ
「桜さんの劇団の芝居に誘われたらしくて、……。
まぁ、そんなに台詞がある役ではないから
って言われたんだけども。
桜さんは、判断はお父さんに任せるって言ってさ。」
芝居に誘われた……。
前に来たあの人だろうか?
桃花と母と三人で話してた。
「……凄いね!びっくりしちゃった。」
「うーん。だねぇ、
でもなぁ大丈夫かなぁ?
他の人には分からないようにするって
桜さんも言っていたけど…」
「……日にちはいつなの?」
「丁度蓮花の展覧会の前日だよ。だから、
バタバタするかもしれないんだよなー…。」
「……。」
「や、お父さんは観に行くからな!蓮花の
展覧会。」
わたしが少し黙ってしまったのを気にして、
父は力説してくれた。
「うん、ありがとう。」