ハナミツ
****
「ふうん。
だから、あの子…ここ何日か舞台でよく見るのか。」
立花真琴は腕組みしてふーん。
と舞台を眺めた。
彼に桃花の舞台出演の事を
話したらそう言った。
誰かに何かを聞いて欲しかった。
「ま、気にしなくていいんじゃね?
あの子…悪いけどあんまり芝居
上手くないしね。
顔だけ?みたいな、
早々に現実を思い知るって訳。
良いじゃん早いうちに
現実は厳しいってコトしれて。」
「よ、容赦無いね。」
「当たり前。素質がある、
ないは才能だから。
どんなに頑張っても。
親父がいっつも言ってる。耳タコ。」