ハナミツ











「ー…蓮花さん?」






「………。」






「蓮花さん!」




「は、はいいっ!」




おばあちゃんは、はぁとため息をついた。



「しっかりなさいな。
あの人は来ると言ったのでしょう?」





「はい。………」




展覧会当日ー。
会場で私は、ボンヤリ生けた花を見る。



京都に来ていた。
少し大きな展覧会で、東日本の華道の様々な流派の
団体が集まってきている。


勿論、品評もされ順位がつく部門もある。




「……まったく、桃花も。何を考えているんだか、」




おばあちゃんは、ふうと独り言みたいに言った。



「すみません、小梅さん。
主催の小泉さんがご挨拶したいと……」






「分かりました。……蓮花さんも。」



「はい。」

 











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