ハナミツ

*1st-3 I'm here






七瀬さんからタクシーで送ってもらい
数日がたった。

あれ以来DVDショップには足を運んでない。
綾瀬さんももしかしたら来てないから、
別に鉢合わせることも無いと思うけど……。



「………、」

ー綾瀬さん。




「……蓮さん暗い。カビ生えそうー」

「こら、萌ちゃん。」


「だってー、あ、いらっしゃいませぇー」


カランカランと店の入口が開く音がする。

萌香ちゃんが小走りで向かって行った。



「大丈夫?蓮花」

「うん。……」


私とほぼ同じ年の美咲はそう見えないと笑った。


「……。」

彼女、高木美咲は私のほぼ同期で、2年前に
Aqua gardenに入社してきた。
ここに勤めるまでは東京のチェーン店の花屋でチーフとして働いていたらしい。

黒髪ウェーブのロング、言うまでもなく美人。
嫌みがなく見えるけど、男の人が大がつくほど嫌い(叔父さま世代は除く)という…癖のある女性。



「話したくないなら聞かないから。私も聞かない。」




< 42 / 668 >

この作品をシェア

pagetop