ハナミツ
*1st-3 I'm here
七瀬さんからタクシーで送ってもらい
数日がたった。
あれ以来DVDショップには足を運んでない。
綾瀬さんももしかしたら来てないから、
別に鉢合わせることも無いと思うけど……。
「………、」
ー綾瀬さん。
「……蓮さん暗い。カビ生えそうー」
「こら、萌ちゃん。」
「だってー、あ、いらっしゃいませぇー」
カランカランと店の入口が開く音がする。
萌香ちゃんが小走りで向かって行った。
「大丈夫?蓮花」
「うん。……」
私とほぼ同じ年の美咲はそう見えないと笑った。
「……。」
彼女、高木美咲は私のほぼ同期で、2年前に
Aqua gardenに入社してきた。
ここに勤めるまでは東京のチェーン店の花屋でチーフとして働いていたらしい。
黒髪ウェーブのロング、言うまでもなく美人。
嫌みがなく見えるけど、男の人が大がつくほど嫌い(叔父さま世代は除く)という…癖のある女性。
「話したくないなら聞かないから。私も聞かない。」