ハナミツ
その日の夜、展覧会1日目が終わりかけの時に
父が来てくれて私は、少しホッとした。
その日の夜、おばあちゃんが取ってくれた旅館で
父は嬉しそうに話していた。
「やっぱり蓮花のは、綺麗な花だなー。
今回は賞取れたらいいなぁ。」
「何を呑気な事を言ってるんだか。……」
「母さん、照れ隠しだろー…?全く。」
「先に休みます。
つかれました、おやすみなさい。」
おばあちゃんは、さっさと部屋に戻っていった。
「素直じゃないよなー、ああいうの昔からだよ。
あ、そういや桜さんちょっと来るの難しいかも
しれないって言ってた。
桃花がちょっと体調崩しちゃってな。
桜さん心配らしくて、舞台もあるから。」
父は荷物を整理しながら言った。
「桃花は、……大丈夫?」