ハナミツ
「まぁ、知恵熱って言われたからなー。
慣れない事をするからだよ。はは、
桃は、度胸はあるけどイザとなったら
足がすくんじゃうタイプだから。仕方ない。
一応ばあちゃん家に頼んできたから、
大丈夫だろうけど。」
「……そっか、」
「……間違ってたら悪いんだが、蓮花は、
桜さんの舞台に立ちたかったのか?」
父は不思議そうに私を見て聞いてきた。
「…え…、なんで。」
「分かんないけど、蓮花は色々引け目を
感じてるんじゃないかって。
桃花は妹だから案外器用にしてるけど、
蓮花は、お姉ちゃんだから。色々なモノを諦めて
桃花の方に譲っていただろう。
だから、桜さんといるのも桃花に
譲っちゃったんじゃないかなってさ。」
「………。お父さん」
「……本当は蓮花もいっぱい甘えたかったのに、
桃花がいたし、桜さん仕事してるからな。
気を遣っていたんだろう?
桜さん気にしていた。蓮花に話さずに桃花を勝手に
舞台にあげた事。」