ハナミツ
身繕いをし、部屋を出ようとスリッパを履いた。
時ー
「おはよう、蓮花。ごめん、
仕事の電話してきていて……」
「あ、……
おはようございます。な、綾瀬さん。」
彼はしっかりと身支度をしていた。
髪がボサボサですっぴんな私が少しだらしなく
感じるくらいに。
「着替えてくる?朝ごはん
8時半くらいからだって、
ロビーで待ち合わせようか。」
「は……い、あの。」
「ん?」
私は、顔を見られるのが恥ずかしくて
俯いたまま頷いた。
いつもどおりの彼に、何も言えなかった。