ハナミツ





「………。」




「あ、あんまり見ないで…下さい」





「なんで………?」






小さい子がねだるみたいに、小さく呟いた。
まるで凶器みたいだ。


喉元にナイフを
突きつけられている感覚。




ふわりと私の胸に手を当てた。

心臓がうるさい……



 


パチンとホックが外れる音がしたけど、
頭がぼうっとしてよく分からない。


冷たい指が私の心臓に触れる。
唇にもまた、熱が触れる。









何も分からない癖に。
私の事、知らない癖に。




「………んっ、…や…ん…」

目をつむる。



「っ、………気持ちいいですか?」



暗闇の中で彼の声がする。



「……………、
つめ……たい。なお……あきさんの…指…」



「………」








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