ハナミツ
「大丈夫?なんか、顔色が良くない」
「……えと、はは。すみません、」
人混みから少し離れた場所に移動してくれ、
直昭さんは、私の頬に手を当て本当に?と尋ねた。
「私………」
「俺がなんかした、」
「違うの、その……さっき、修学旅行生がいて、
直昭さんの事話してたから。……」
「あぁ、大丈夫だよ。マスクだってしてるし、
自慢じゃないけど前に電車で俺の話をしている
子の眼の前に居たことあったけど、
全然気付かれなかったし。」
何でもないように彼はサラリと言った。
「心配してくれたんだ、蓮花」
「……」