ハナミツ
「………直昭さん 」
「さっき、ちょっと蓮花の身体に触れただけで
止まらくなった。
今だって、……。」
視線を私に合わせる。
「………不便だな、人間って。口ならいくらでも
言えるから。」
そっと唇が触れるようなキスをした。
「触れたらこんなに熱いのが分かるのに。
触れさせてくれるまで、その気持ちを
言葉にしなきゃならないなんて……、」
熱い。
心臓がうるさい。
「直昭さん」
「………ん」
「………」
抱きしめて欲しい。
なにもかも、考えずに。めちゃくちゃにして欲しい。
答えなんて、出さなくていい。
母はもういないのに。彼は律儀にこれからの私に
対して色々考えてくれようとしている。
………。