ハナミツ
私は小さい頃から父と祖母に育てて貰っていた。
母と父は、若い頃に離婚したからだ。
でもお互いが、嫌いで別れた訳じゃない。
母の仕事の都合で、だ。
母と私はたまに会っては色々な話をしていた。
少し離れた場所にいる母は気軽な女友達みたいで
楽だった。
お祖母ちゃんは、あまり
母のことを良くは思って無かったけど。
「蓮花は仕事はどうだ、最近」
「お父さんは、会ったらいつもそればっか。
仕事はどうだ、体調はどうだ、って
私は元気だよ。食べるに困ってもないし
見たら分かるでしょ」
近くにある、フレンチの家庭料理の店に晩ごはんに
決まり私達は話しながらそこに向かっていた。
「……蓮花は気が強いからな。大丈夫じゃない時も
大丈夫って言うだろう。そーゆとこは、
母さんに似たかもな。」