ハナミツ
*5th-2 そのために。
もう少しで東京につくところで、私は目が覚めた。
直昭さんはぼうっと窓際から外を眺めていた。
眼鏡越しの視線はどことなく穏やかな気がした。
何を考えているんだろう。
わたしがあんなことを言ったから、直昭さん
困らせてしまった。
抱いて欲しいだなんて。
何となく目頭が熱くなってしまい目を伏せた。
……でも、私は、
「なに考えてるの?俺の可愛い彼女さんは、教えて欲しいな」
耳元でこそっと囁く声にびっくりした。気がついたら直昭さんは私の横にいた。
正面から移動していたのだ!
彼はニコリと笑った。
「…っ、直昭さん。い、いつから、」
「…蓮花が起きたのは分からなかったけど、
視線を感じたから。目を伏せた時に、
蓮花が綺麗過ぎて驚いたよ」