ハナミツ
私は、静かにドアを開けた。
直昭さんは集中しているのかこちらを振り向かなかった。
お茶…前に来た時に直昭さんがいれてたけど。
聞いてみようかな。
「直昭さん」
「……」
声小さかったかな。
彼がいるソファに近付き背中をそっとたたいた。
「直昭さん?」
「…え、ん、……
あ、あぁ、蓮花。ごめん!気づかなかった」
慌ててこちらを向いて、直昭さんは言った。
テーブルには沢山の台本が置いてある。
こんなに沢山仕事があったんだ…。
「…風呂上がったんだ、湯冷めしてない?大丈夫」
「大丈夫です。ありがとうございます。…
あの、お茶いれたいんだけど場所を
教えて欲しくて。ごめんなさい、お仕事してる時に、」
ああ、と直昭さんは立ち上がり、コレとこれだよ。
と紅茶とポットを出してくれた。
「袋に書いてあるとおりに淹れたらいいよ。」