ハナミツ
「ありがとうございます、」
ヤカンに水を入れ火にかける。
ポットとカップを温めるためにお湯は多めにしておく。
「あの、直昭さんは座ってて大丈夫ですよ。」
すぐにソファに行くかと思ったら、冷蔵庫により掛かり
私の動作を眺めていた。
何も言わない直昭さんは、少し冷たい感じがする。
仕事の事を考えていたからか顔が違う。
「ん、見てたいからいい。」
お茶いれるのあんまり、面白くないと思うんだけど。
「…紅茶飲むんですね。沢山種類があっていいなぁ」
「もともと姉が紅茶好きで、旨い店教えてくれて、
そこで買ってくるから。」
「そうなんですね。」
前に見た直昭さんのお姉さん。
明るくて、空気が直昭さんと同じだった。
直昭さんのお家は、あったかい家族なんだと思う。
お父さんがいて、お母さんがいて。